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    京都の雨は大概盆地に降るんやろか

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      この秋冬に映画館/テレビ放送で見た映画感想めも。

      舞妓はレディ/イヴサンローラン/ウィークエンドはパリで/謎解きはディナーの後で/マレフィセント



      ○舞妓はレディ

      全く見る予定はなかったのに、地上波で放送されていた「ハッピーフライト」とその後の宣伝であっさり見たくなってしまった。しっかり乗せられているー。
      田舎から出てきた、訛りの強い春子が京都で語学研究者の指導で完璧な舞妓を目指す、というストーリー。先生が賭けの材料で春子の教育を請け負う設定とか、想像していた以上にマイフェアレディだった。そのまんまパロった歌詞「京都の雨は大概盆地に降るんやろか」が一番ツボにハマったのでタイトルにした。
      春子がとにかくかわいい。笑ってても困り眉でも泣いててもかわいい。応援したくなる。
      現代も生きる京都の花街の描写にリアリティーがあるのかはわからないけど、面白かった。外から見れば不可思議な閉鎖的世界の話が好きだ。
      四季を通して京都の、芸妓の世界の、素敵なところ、厳しくつらいところが映され、春子の成長が描かれている。
      先生との恋愛描写は薄め。まあ、年齢的に当たり前か。でもこういう導く者と教え子の少女漫画ロマンスも好物なので美味しかったですもぐもぐ。
      作りは派手でないけど、良い役者を揃えて見ていて楽しかった。割と苦手な部類だった田畑智子がとても良い女優さんだなあとしみじみ思えたのが収穫かな。ソウルメイトのお目当てだった妻夫木くんの登場シーンにも笑った。
      誰も彼も魅力的なキャラクターだった、まあ現代に生きる人間としてのリアリティーがあるかは別として。笑
      つまり私はファンタジー作品として楽しんでしまったのかも。ハッピーフライトはすごく、業界あるある映画として見ていたので、舞妓はレディもこう見えて案外リアルな話なんだろうなとも思うのだけど。


      ◯イヴサンローラン
      宣伝映像の美しさと、友人達の「すごく…やおいです…」というレビューに惹かれて見た。感想も結局そこに尽きる。
      映像がとにかく美しかった。イヴサンローランの監修を受けているというだけあって、美しくない画面は1秒たりとも認めないと言われているかのようだった。どの場面を切り取っても美しい絵になっている。役者が美しく、衣装が美しく、背景が美しいのだから当然なのだけど。
      ピエール・ニネのイブが本当に本当に美しくて、繊細で神経質な芸術家そのものだった。背徳的な神学生のよう。
      そしてベルジュ役のギョームの演技が素晴らしい説得力。あとあと、ヴィクトワールがうつくしい、私の好みのお顔すぎた。あの表情で頬を叩かれたい。
      内容は正直、フランス映画だなーーって感じ。実在の人物をドキュメンタリー調でなく描くとああなるのも仕方ないのかな。ひたすらギョームが気の毒。私はヴィクトワールとの奇妙な三角関係までの展開が好きだった。
      芸術家は一般社会の規範に則っては生きられないから仕方ない、というよくあるオチなのだけど、尽くし寄り添ってきたギョームにとって幸せな人生だったのかどうか…まあこの映画もギョーム本人が確認しているんだからいいのか。美しいものはすべて許せる。
      ディオール時代の服とか、初期のエレガンスなドレスとか、ランウェイのラストを飾るウェディングドレスとか、どれもこれも好み過ぎてパンフレットに写真が載っていたら買ったのに!永遠のエレガンス!素敵な服を着たくなる映画だった。


      ◯ウィークエンドはパリで
      イブサンローランを見にマイナーなシネマに行って、宣伝映像とノッティングヒルの監督作ということが気になって行った。結論から言うと私の好みの映画ではなかった。
      新婚旅行先だったパリに来た老夫婦がお互いへの不満とか嘘とかぶちまけた後に夫婦愛を拾う、みたいなストーリー(ざっくりしすぎ)なのだけど、私はまだその2人が持つどの境地の愛も経験していないし身近に発見できていないので、全く共感できなかったのだ。
      はっきり言って、2人とも違うパートナーを選んでくれた方が良かった、もしくはせめて火遊びがあった後に夫婦愛に気付く方が良かった。
      そして夫も妻もそんなに魅力的な人物には映らなかったかな。イギリス人から見るとスタンダードなのだろうか、わからない。
      パリの風景は綺麗だったし、出てくる料理はとても美味しそうだったので、映画の帰りにはパリ風のカフェでお茶して、なんか腑に落ちないよねと感想を零して帰った。あくまで個人的な好みの問題だとは思う。


      ◯謎解きはディナーの後で
      テレビ放送されていたのを見た。ドラマは未見。小説は1冊目だけ遥か昔に読んだ。
      ただただシンガポールロケの映像と、私の中で好感度爆上げ中の北川景子嬢を見たかったからです。かわいいかわいい。
      そしてシンガポールロケ!と謳っていた割にはそんなにシンガポール出てこなかった…舞台が豪華客船だから当たり前か。騙された。出てきたホテルとかは全部行ったことがあってそれは楽しかったよ。
      北川景子嬢がとにかく可愛い(2回目)
      宮沢りえ様も美しかったです。
      不純な動機の割に最後までしっかり見てしまった。夕飯食べながら居間でだらだら見るのにちょうど良く楽しかった。


      ◯マレフィセント
      映画館で予告編を見まくって気になりつつも、予告編であらかた見所を見たようなものだろうと満足してしまっていたものを、機内で見た。
      ストーリーは予想通りだったし、やっぱり予告編で見所は集約されていたなーと思ったものの、想像以上に百合だったのでぐっじょぶ。
      なんて醜い子、全然可愛くなくてかわいそうと言いながらせっせとオーロラの世話を焼くマレ様…ツンデレ過ぎる。そもそも自分を裏切った男の娘をその場で殺さずに結構甘い呪いをかけてる時点で相当に根が優しいよね。かわいい。
      アンジェリーナ・ジョリーでもっている映画だろうなと思っていたけど本当にそうだったなあ。演技も良いとは思うんだけど、それよりは画面の中の存在感が。オーロラは予告編よりずっと脇役扱いでちょっと気の毒だった。エル・ファニングは可愛かったけど。
      ラストのオチも思っていた以上に百合で、うん、百合だった…。
      しかし最近のディズニークラシックアニメ実写化はどこに向かっているんだろう。アリスインワンダーランドの時も感じたけれど、元の作品の裏話をやりますよ、という感じで予告編を作っておきながら、元作品ファンをかなり置いてけぼりにしている感じがある。
      いっそ別物として作ってくれたらいいのに、と思いつつ正直サイドストーリーとして売らなければ特筆すべき魅力もない。確かにお金のかかった映像の力は凄いと思うんだけど…うーん、私がディズニーに求めているものとは違う。
      シンデレラの実写映画も自分の中ではそんなオチが見えていて、気になりつつも映画館で見なくていいかなあ…と思ってしまうのが残念。たぶんなにかしらの方法では見るけど。
      マレフィセント効果(たぶん)でパークにマレ様はじめヴィランズグッズが増えたのはとても良いことだと思う、いいぞもっとやれ。

      posted by: 桜花 | 映画/舞台 | 04:40 | comments(0) | - | - | - |

      最期に一花咲かせましょう

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        大人の新感線「ラストフラワーズ」観てきた!



        脚本:松尾スズキ
        演出:いのうえひでのり
        音楽:岡崎司、東京スカパラダイスオーケストラ


        大人計画×劇団☆新感線のコラボなんて面白くないはずがない。発表された時からずーっと楽しみにしてきた作品、やっぱり観られて良かった!めっっっっっちゃくっっちゃ楽しかった!!こんなに何も考えず爆笑したの何ヶ月ぶりかなー。お祭りに参加できて大満足。

        脚本は予告通り超「B級」で「70年代」の「アクション活劇」で、ベースにある毒も含めてこれでもかと王道を突き進むストーリー。
        最初からオチは透けて見えてるし、笑いに走るあまり本筋からずれた場面もたくさんあるし、その設定いる!?みたいなネタの入れ方とか、妙に説教くさいテーマを入れてくるところとか、とにかく「学生演劇っぽい」脚本だなーという印象。格好良くなった厨二病というか。
        そして役者の皆さんがそれに乗っかって全力でお遊びしていて、やってることはくだらないのにそれぞれのレベルが高すぎて神々の遊びを見ているような気分になる。
        あのネタの数々はどこからどこまでがアドリブなのだろうか…今やテレビや大きな舞台で活躍されている方々が、生の舞台でならカットされないだろ!勢いで言ってやれやってやれ!とはっちゃけているように見えたよ…笑


        ストーリーはルパン三世の映画でこういうのあったよなあ、と真っ先に思った。
        本当に王道でB級なんだけど、どうなっちゃうんだろう?!と思わせてくれるのはさすがいのうえ演出。1幕の盛り上げる締め方はいつもながらとても好みだ。
        場面転換も多く、いろんな国を行き来する展開はともすれば観ていて混乱しそうなのだけど、映像演出も多用してわかりやすくまとめていた。お芝居を見慣れている人に向けた演出だなあ(メタな台詞とか)とも思ったけれど、まあ、演劇界のお祭り作品だからな。
        あれだけ豊富に人材がいるのに敢えて中心人物を一人二役で演じさせていたりと、演劇ファンの心をくすぐる配役も見事。じゅんさんの行ったり来たりの演技とか、途中で違和感消えていたので「あ、そういえば2人同時に出てきてないな」ってネタを出されてから気付いたよ。
        殺陣の無駄遣い、主要な役でもばんばん殺す軽率ともいえるポップさ、うーんロックだわ(適当)


        いやはや、とにかくオールスター感謝祭って感じだった。だって松尾スズキと宮藤官九郎も役者で出てるんだよ…しかもあんな役で…。
        芝居の感想というより役者の感想になってしまうのは仕方ない。

        古田新太、阿部サダヲというキャラの濃い看板役者2人がどんな化学反応を起こすのか楽しみにしていたけれど、蓋を開けてみるとメイン2人と他の皆さん…という風には全くならず(笑)全員の自己主張が激しすぎて、良い意味でしっちゃかめっちゃか、誰に目を向けたらいいのかわからないくらい濃密な空間だった。
        だってあの人達常に全力で笑いを取りに体張ってるんだもん…面白すぎる。

        新感線のファンの贔屓目もあるかもしれないが、古田新太&高田聖子の安定感は素晴らしいと思う。重厚な役も、ご夫婦役も(あのネタは色々な意味で大丈夫なのか…!死ぬほど笑ったけど!)舞台の隅々まで掌握される感じ、本当にさすが。
        じゅんさん最高!大好き!最高!粟根さんもすごくぴったりの役でハマっていた。まことさんはせっかく松尾作品なのにどうしていつも通りこんな役なの〜最高だ。

        実は大人計画を観たことがないので、大人計画側のキャストは皆さん「テレビや映画で見たことある役者さんだ〜」という印象だった。しかし皆さんおっもしろいなあ!
        サダヲちゃんは最近こういう役が続いているからか印象通りだったかな。バカを演じる天才を演じさせたらピカイチだと思う。
        皆川さん、いちいち動きが面白いからずるい。地味に入れられた壁ドンで腹筋攣りそうになるほど笑った…。
        荒川さん、星野さんはほんとテレビで見たー!って感じではしゃいでしまった笑 舞台でもあんな感じなのね、味があるわあ。
        平岩紙さん、大ファンになった!面白すぎる!!タンバリン芸には登場時からラストまで全て持っていかれたな…あれめちゃくちゃ難易度高いと思うんだけど。すごい。たぶん感動的なんだろうなと思われる後半のシーンは全て彼女に目が奪われて集中できなかったよ…!ずるい!
        クドカンと松尾さんはここぞとばかりに遊んでいた。楽しそうだなおっさん達…!こっちも楽しいわ!

        唯一のゲスト小池栄子姐さんはもう、さすがとしか言いようが無い。このメンバーに呼ばれてくるだけある。というよりこの2劇団にさらっとゲスト出演できる女優は姐さんくらいじゃないかな。綺麗どころのヒロイン演技も身体を張った笑いもお色気要員もこなしてしまう。万獣の時も思ったけど、本当にオールマイティでとても賢い方なんだなあと思う。はしゃぐおっさん達を転がしながらバランス取って演技していた。


        千秋楽を迎えてからいうのもなんだけど、パンフレットは今回マストバイだと思う!!!
        ものすごーーーく力が入っていて、読み応えある!パロディだらけのポスターもクオリティ高くてどれもこれも面白い。
        かなりお買い得だよ!!もう1冊買えば良かったかなと思うくらい。
        パンフで思い出したけど、SEX AND THE CITY 銀行のネタ面白すぎた…パンフで拾ってくれてほんと嬉しい…。あと新感線はそろそろ和泉元彌に賠償請求されても知らんぞww


        大の大人が身体に鞭打って全力で悪ふざけしたお祭りに参加させてもらった感じ。とっても楽しいエンタメ空間だった。
        この豪華タッグはぜひ第二弾を期待したいけれど、これだけのメンバーのスケジュールを合わせるのは難しいだろうなあ。演劇界の伝説になるだろう作品を観れて良かったと思おう。なんて言いながら、あっさり「また集まっちゃいましたー!☆」とか言ってくれそうなのがこのひとたちなのだけど。
        まだまだ「最後に一花」なんて塩らしいことは言いそうにない2劇団の皆さんに幸あれ。
        posted by: 桜花 | 映画/舞台 | 22:43 | comments(0) | - | - | - |

        窓辺で囀って 何処にも行かないで

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          最近(でないものもある)見た映画たち感想めも
          超高速!参勤交代/思い出のマーニー/レミーのおいしいレストラン/ウォルト・ディズニーの約束/FROZEN/ゲキシネゴエロク/まどマギ
          いつも通りネタバレ考慮なしです。

          ○超高速!参勤交代
          邦画はあまり映画館で見ないのだけど、蔵之介見たい欲と宣伝の上手さに負けた。
          各番宣のバラエティ楽しかったです京都弁蔵之介ありがとうございました浴衣蔵之介ごちそうさまでした…!
          江戸時代の時代劇映画って個人的にはあまり馴染みがないのだけど、なんとなく「滅びの美学」が共通してあるようなイメージがある。仇討ちとか、変わる時代とか、そういうの。桜は散り際が美しいみたいな。
          なのでこういう、テーマありつつのコメディ映画を見て、「時代劇ってこういうのもアリなんだな〜」とびっくりした。面白かった。誰も死なないっていいな。思っていたよりギャグに走りすぎていないのも良かった。
          佐々木蔵之介の名君っぷりに惚れ惚れ。殺陣も眼福。深キョンが羨ましいです!!
          深田恭子は最初出てきたときに誰かわからなくて、本気で「うわー可愛い。松竹の新人さんかな?」と思ったくらいで、声を聞いて「あ、深キョンか」ってなった。いくつだよあの人…!
          あと知念くんがサービスショット入れすぎてていろんな意味で心配になりました。


          ○思い出のマーニー
          百合CMに釣られてはいけない、昨今のジブリCM詐欺には懲りてきただろ…!と思いつつ、恒例行事として見た。
          近年のジブリの中では結構すき。というか、お話はかなり好物の類。ホラーにも見える不気味さとオチが秀逸。
          ただこの面白さはきっと原作の良さに起因するんだろうなあと思ったので、感想としては「原作読みたい」が一番かも。
          マーニーとの心の交流はCMに違わぬ百合だったけど、思っていたより序盤から幻の存在として描くんだなというのが意外だった。
          幻の中のお屋敷の華やかさと現実、マーニーの日記が交錯していく演出はジブリのファンタジーさが炸裂していて好み。あと、沼地とか涙とか、水の描写がとても綺麗。
          あと、宮崎駿が絡むとなんとなーく浸透している独特の女性観は感じられなかったのが自分の中でポイント高い。思春期女子好きだな〜とは思ったけど、嫌悪感は無かったのは私が大人になったからかな。
          ただどうしても自分の中で納得いかなかったのがオチの描写…。マーニーの過去話を聞いてオチを悟った時(まあそれ以前に瞳の色で伏線なんだろうなとは思ったけど)かなり感動したのに、最後の最後で駄目押しのように写真を出して「おばあちゃんだったんだ…」と台詞にしてしまうの、本当に蛇足だと思う。最近のジブリこういうの多い!無駄な説明で余韻を消されてしまってかなり不満だった。解釈の余地を残してほしいとまではいわないけど、もうちょっと観客の目を信用して委ねてほしいなあ。
          主題歌はいつも通り合っていてとっても良かった。
          最近のジブリの中では好きだけど、映画そのものとしてかなり気に入ったかと言われたら微妙かな。というか、面白いけど2時間かけて映画作品として作るほどかなあ、と思った。うーん、別に駿信者なわけではないのだが。一応ずっとジブリは見ているけれど、コンスタントに面白いものを作ってくれるという印象はもう無いなあ…まあきっと来年も見るんだけど。


          ○レミーのおいしいレストラン
          比べるわけではないけれど、ピクサーは本当に安定してコンスタントに面白い作品を出してくる。ディズニーが全年齢が楽しめて健康的な作品を作るのに対してジブリは局地的だけど深い作品を作る、と前は思っていたものだけど最近のジブリは別に深くもない…。まあいいや。
          レミー地上波で久しぶりに見た!
          料理がどれも美味しそうで、フレンチ食べたくなる。あと、音楽がどれもとってもおしゃれ!
          全体的にフランス!パリ!って香りがして、アメリカンなピクサーにしては珍しいと思うのだけど、見終わるとすっごくフランスに行きたくなってしまっている。
          レミーは憧れの有名店で人気シェフになりましたとさ、と締まらないのがいい。MUでも思ったけど、すべてが丸く収まってハッピーエンドにならず現実的な落とし所を見つけているのがいいな、と思う。それでも十分ディズニーマジック効いてるしね。
          関係ないけど私はいつかディズニークルーズでレミーのレストランに行くのが夢です…。


          ○ウォルト・ディズニーの約束
          メリー・ポピンズファンとしては見ないわけにはいくまいて。
          原作も映画も舞台も大大大好きでとても思い入れがあるので、随所で泣いてしまった。そうそう、メリーとバートは恋愛関係じゃないのがいいんだよう…!お母さんが育児してないとかお父さんの職場描写がブラックとかそういうリアルさがいいんだよ子供向け作品にブラックさ入れちゃうのがイギリスなの!
          MP舞台のWE→BWでの演出変更に「なんでそんな底抜けに明るくしちゃうの〜陰鬱さがあってこそなのに!」と残念がっていたので、原作者のパメラが映画化の際にもいろんな注文をつけて揉めていたのを知ってちょっと嬉しかった。やっぱり偏屈な人がこだわりを詰めて書いた作品だったのね。AAミルンのプーとディズニーのプーは完全に別物、というのも首が千切れるくらい頷いた。どっちも好きだけど。
          しかし映画作ってる側はたまったもんじゃなかっただろうなあ。笑
          それに、パメラがどれだけ反対してもミュージカル映画にしてくれて良かった。どの曲も大好きだもの〜。兄弟の演奏や歌詞の片鱗が現れる度に脳内で一緒に口ずさんでいた。ああやっぱりMP大好き!
          イギリスのほの暗さや陰鬱さと同じ暗い、夢の国のゆめゆめしさも愛しているのだ。
          エマ・トンプソンの演技が素晴らしい。トム・ハンクスは完全にウォルト…。お見事です。
          コリン・ファレルのトラヴァースも駄目男っぷりが絶妙だった。こういう夢はあって子煩悩で妻にも優しい面白い人だけど夢を見過ぎてて現実と折り合いつけられなくて酒やギャンブルに溺れて身を滅ぼしてしまうタイプのお父さん、子供にとっては良いパパだけど周りは大迷惑だよねえ。そしてこういうパパってアメリカの作品に頻出する気がする。キャッチミーとかも同タイプ。
          しかしこの映画はパメラのトラヴァースへの思慕とか、それが投影されたMR,Banksのキャラクター描写だとかがストーリーの核なのに、邦題が「ウォルト・ディズニーの約束」なのはちょっと納得いかないなー。いや、物語の浸透率とか考えると(最近の子供がみんなMPを見ているとは考えにくい…ちなみにイギリスではトトロくらいの浸透率だよ)ウォルトの名前を出した方がいいのはわかるのだけど、うーむ。まあ、映画作品としての良さに関係はないか。
          車がパークに入っていくシーンで何故か号泣したのでアナハイム行きたい(血涙)


          ○FROZEN(邦題:アナと雪の女王)
          映画館で3回見た。全て字幕版、うち1回は3D。
          エルサの声優がIdinaと発表されて、そして本国で公開された評価を見て、Let it goの映像を100回以上は繰り返し見て、WDWでショーの一部に使われているのを見て、とにかくずっとずっと楽しみにしてきて、やっと世界最遅で日本公開。
          なので、世間の現在に至る「アナ雪ブーム」にはちょっと戸惑いを感じていたりもする。だって世界で流行ってたのは丸一年くらい前だよ…!あとエルサの名前も入れてあげてよと思うのでアナ雪というタイトルもあまり好きではない。笑
          繰り返し見て日本版DVDの発売が待てず本国版を輸入購入しておいてなんだけど、正直ストーリーは過去のディズニー作品に比べて特に秀逸だとは思わない。確かに新しいなと思う要素はあるけど、好みでいえば私はラプンツェルの方がストーリーもキャラクターも好きだし、過去の大作に比べてものすごくテーマ性が深いとも思わないし。ただ圧倒的に曲!曲の勝ちだと思う!
          Let it goばかりが注目されているけど、王道ディズニーを詰め込んだFor the first time in foreverもLove is an open door も最高。あとなんといってもリプライズを入れてるのが素晴らしいな〜あれでミュージカルらしさがぐっと増してるよねえ。
          脚本は好きといえば好きなんだけど、とりあえず尺不足が否めないなと思うのだ。なんか随所で「あとちょっとシーン入れたい!」と思わされて、惜しい。そこらへんの違和感を音楽で埋めているといえばそれまでだけど。
          舞台化するならぜひ2幕でLove is〜のリプライズをアナとクリストフでデュエットさせてあげて…!(ジョナサン・グロフに15秒しか歌わせないなんて信じられない!もったいない!)あとハンスには個性いらないのかもしれないけど悪役ソング的なのもほしい!没CDに入ってた子供時代の曲も入れてあげて〜。トロールシーンで群舞入れるだろうなとか雪の表現は映像かLED多用かなとか、ああ妄想ばかり広がる。
          3D版が想像以上に良くて、背景映像の美しさも実感した。本当に雪の世界に迷い込んだみたいだった。あれは映画館でしか体験できないから、もっと3Dで見たら良かったなあ。
          なんせIdinaが大好きなので、彼女の歌を映画館の音響で聴けただけでお釣りがくるくらい満足なのだった。

          ○ゲキシネ五右衛門ROCK3 JIPANG PUNK
          舞台を観た際に感じた違和感や音響の残念さがゲキシネでは綺麗に払拭されていた。だからゲキシネ大好きだ。
          というか、最近は新感線の舞台を観たりチケットを取る段階でゲキシネありきで考えてしまっている節はある。ここの表情のアップはゲキシネで見られるだろうから舞台では全体を見よう、とか音が聞き取りにくかったけどゲキシネで拾えるだろうからいいか、とか…。
          映像で見ても三浦春馬くんはキレッキレだった。やはり映像俳優にしておくにはもったいない…。というか、イケメンなのが逆にもったいないなあと思わされる珍しい俳優さんだなと実感した。ここまで美形じゃなければもっといろんな役がきただろうに。
          一度舞台で観ていてもやっぱり楽しいゴエロク。シリアスももちろんだけど、バカになって笑って楽しめる新感線も好きだ!


          ○魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語
          今更いつの作品の話をという感じだけど、ちゃんと映画館で見た。
          ほむほむまじ叛逆…としか言いようがない。本編とはなんだったのだというくらい劇場版で超ひっくり返してきたね。すごいな!
          劇場版前後編がただの総集編でちょっとなあと思っていたのに3作目でこういうことするのかよ、おい、いや面白かったけど超面白かったけど!ほむほむまじ叛逆(2回目)
          魔女世界の描写やっぱり好きだなあ〜。好きな子達がたくさん再登場していたのも素直に嬉しかった。劇場版ならではのサービスシーンというか時間稼ぎシーン(げほげほ)も楽しめた。うんうん、魔女っこものだからね、プリキュアと同じだからね…。
          ほむほむとマミさんの弾丸バトルシーンが格好良くて痺れて何回もあそこだけ見たい。
          からふぃなの主題歌がまた素晴らしく良くて、この映画の良さを300%引き出していたと思う。思春期の少女の残酷さすき。
          こうなったら面白いけど物語として綺麗に纏めるにはその選択肢は選ばないだろう、みたいな選択肢ばかり選ぶ、心憎いほど清々しい作品だなあと感動した。途中から残りの尺の心配ばっかりしてたよ…あと30分も無いのにその展開大丈夫なのか、みたいな…。まどマギ好きです。


           
          posted by: 桜花 | 映画/舞台 | 21:40 | comments(0) | - | - | - |

          キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

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            キャッチミーイフユーキャン@シアタードラマシティ 感想



            フランク・アバグネイルJr:松岡充
            カール・ハンラティ:今井清隆
            フランク・アバグネイルSr:戸井勝海
            ポーラ・アバグネイル:彩吹真央
            ブレンダ・ストロング:菊地美香


            映画版が大好きで、舞台版の2011年トニー賞パフォを見てからずっと観てみたいと思い続け、韓国でもポスターを見て羨ましかったCMIYC。運良く大阪で観ることができた!

            大きい箱で映像多用しているイメージだったので、シアドラでどう収まるかなーと思っていたけど、なかなかコンパクトに可愛い舞台になっていた。バンドの目隠しがチーズになっているのとかすごく可愛かった!

            個人的には感想を一言で言うと「惜しい」
            幕間に「よくわからなかった…」と話すお嬢さん方を見かけたけど、確かに1幕は猛スピードであらすじをさらうので映画を見ていなければかなり性急な感じがするんじゃないかなあ。2幕はテーマを父と息子(SrとJr、ハンラティとフランク)に絞っていたし、曲も耳に残るものが多くて厚みがある。

            ただ全体的に、散漫しているなあと感じた。場面場面が切り貼りされている感じ。特に1幕は時系列を行き来することもあって、途切れて見える。場面自体はすごく良いのに、次の場面への繋ぎ方がフェードアウトっぽいから、なんとなくもやっとしてしまう箇所もいくつか。

            なにせ映画がもの凄く良い作りなので、あのテンポを舞台で表現するのは難しいんじゃないかなあ。テレビショーのような演出と移動する枠組が面白かったけど、なんとなく静かでショーエンタメとしてはちょっと足りない。
            映像で見る限り本家はプロデューサーズのような、アメリカ!ギラギラ!ショーエンターテイメント!って感じの空気が売りなんだと思うけど、箱の大きさと人数、そしてやっぱり日本人のショークオリティでは同じ空気は出せない。
            それならいっそ韓国版のようなアイドルショー路線にしてしまった方が弾けたテンションは出せて良かったんじゃないかなーなんて思ったりした。映像演出とか多用して、バックのサスライトももっと色つけるとか。そう、なんか落ち着いていたんだよね。妙におとなしいというか、あの作品らしい、若々しい向こう見ずなテンションがなかった。

            そしてその大きな原因のひとつは、キャスティングにあると思うのですよ…。正直言って主役はもっと若い人にするべきだったと思う。
            元々が20代に変装して詐欺をしていた10代の男の子の役なんだから、やっぱりどう考えても40代に演らせるには無理がある。松岡さんすごく健闘していたし、歌も聞けたし、さすが滑舌は良いなあと思ったけど、演技はテンションのギャップというか、上滑りしてしまっているなーという、きついところはあったよ…。
            韓国版のようにアイドルちゃんとまでは言わないけど、フランクという役は演技力よりもビジュアルや庇護欲をそそるカリスマ性に説得力がある年齢・容姿が重要なんじゃないかなー。


            私は映画版の切なさやオチの持っていき方がすごく好きなので、空港で始まり空港で終わるのが綺麗なのはわかるけど、パパの死を伝えるタイミングとか、ママの話がフェードアウトしてしまうのとか、どうやって弁護士資格を取ったのか、を答えるあっさりさとかがどうしても残念だった。
            けど、ママの描写を軽くした分パパとのエピソードに良いメロディをつけて印象を濃くしていたり、ハンラティとパパの場面を盛り込むことで父と息子の交流に焦点を当てていたのは良かったな。ラストに説得力が生まれていた。
            そのせいでブレンダとの恋愛要素はちょっと蛇足っぽくなってしまっていたけれど…。(ていうかハンラティとフランクの絆もぼやけさせてしまっていた気が…映画と比べ過ぎかな)

            今井ハンラティはダンス頑張っていた!!あんなに飛んだりはねたりすると思ってなくて笑、本人もネタにしていたけど息切れしながらのパフォーマンスは迫力あったし楽しかった!

            戸井パパは駄目なパパを本当に駄目に演じていて良かったなあ。ウォルトディズニーの約束でも思ったけど、ああいう「愛情には溢れてるけどアメリカンドリームを追いかけすぎて金と酒に溺れて破滅する駄目男」ってアメリカ作品特有の気がする…。なまじ言うことは夢に溢れてるし妻子には優しいから子供からはスーパーヒーローに見えるところが性質が悪い。
            制服の歌やネズミの歌、あとハンラティとの歌があったのでだらしがないけど息子を愛してるし息子の期待に応えられないことを辛く思っているのも伝わったし、いい役だったな。全体的にフランク→母の執着を弱めて父性を強く描く脚本だったけど、その方が後半のハンラティとの絆に説得力が生まれるし良かったのかな。

            彩吹ママは、なんてまあ綺麗な女の人になっちゃって…笑
            すらっとしてるし会話の節々にフランス語混じるのもなんか自然。ただ「新しいタイプのファム・ファタル」と称されるほどなのか?と言われるとちょっと良妻賢母感がある気はした。ふわふわ夢の中に生きていそうな不思議系ではあったけど。

            舞台版でぐっと存在感を強くされていたブレンダ、そもそも映画では別にヒロインでもないと思うんだけど笑
            Fly, Fly Awayがすごく良い曲で泣かされる。菊地美香ちゃん、すごく良かった。自分に自信が無いブレンダがフランクに感謝して、自由に逃げてほしいって願う心情がすごく自然だったし、その後違う人と結婚するっていうのも納得できる役作りだったな。
            曲がすごく良いので聖子ちゃん版もぜひ聴きたいけど、役としては主役を食ってしまいそうな気がする…。
            Seven Wondersも良い曲だし、ほんと曲のおかげで2人の恋が綺麗な感じにまとまっていて良かったね…?笑


            でも今回の舞台版を観てなにより一番気に入ったのはソロの皆様ではなく、アンサンブルの使い方!
            どの場面でもすごく効果的に迫力あるパフォーマンスをしていて、同じ衣装を着ていても一人一人の個性が光っていてすごく良かった!
            アマゾネスこと肉食女子sすごく好き笑 肉感的なダンス、ソウルフルな歌声たまらないー。
            捜査官のおじさん3人組もすごーく良かったなー。ハンラティも含めて、振り回される3人組がかわいいかわいい。


            なんだか批判的な感想になってしまったけど、普通に楽しかったし曲は好きだったしキャストも(主役の年齢に不満は残るものの)良かった。
            ただ映画の出来がすごく良い(映像としても、演出も、2人のキャラクターとしても)のでどうしても比べてしまうというか、映画原作じゃなくていっそ同じ題材を元に全く違う作品を作った方が良かったんじゃないかなあなんて思ったりもした。
            突拍子もない話だけどノンフィクションだよというのがこの作品のミソなので、もっと役に人間的な深みが欲しい…。なんせディカプリオとトムのキャラクターが完成されちゃってる。
            といいつつトニー賞パフォーマンスは今観てもとても楽しいし、やっぱりもにょってるのは作品そのものの作りではなく日本版の演出と完成度なんだろうなあ…。うーん、惜しかった。ただカンパニーが公演を重ねてもっともっと良くなるだろうなというのも感じるので、また時間を置いて観てみたいかな。できれば本場のNY版、もしくは韓国のアイドル版も観たいなー。
            posted by: 桜花 | 映画/舞台 | 18:25 | comments(0) | - | - | - |

            この世で一番こわいのは誰ですか?

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              そんなこと、口が裂けても言えません。





              ねずみの三銃士 第三回企画公演「万獣こわい」

              作:宮藤官九郎
              演出:河原雅彦
              出演:生瀬勝久・池田成志・古田新太・小池栄子・夏帆・小松和重


              GWに観てきた。
              ねずみの三銃士は初めて。このメンバーで面白くないわけがない!と期待を高めて観劇。


              1幕終わり、これはもしかしてものすごくこわいお話なのではないか?と嫌な予感がし、2幕を観るのがこわいこわいと叫んでいたけれど、終演後は背筋が凍って何も呟けない状態になっていた。
              なんかこわいこわい言ってると饅頭こわい的な意味で怖いのかと思われそうだけど、ガチで怖い。ぶるぶる。
              そして制作側の狙い通り、とっっっても「胸くそ悪い」話だった。

              舞台は住宅街の中にある喫茶店。
              マスターとその妻が開店準備を進める中、トキヨという少女が飛び込んでくる。
              「助けて、ヤマザキが、ヤマザキが来る!」
              トキヨはヤマザキという男のマンションに家族とともに8年間監禁されており、毎年ハロウィンの夜に一人ずつ殺されてきたのだという。そして今年、自分が最後の一人になったので逃げてきたのだ。
              夫婦はトキヨを匿い、事件は明るみに出てヤマザキは死刑となる。
              それから7年後、夫婦は互いに僅かな不満を抱きつつも結婚生活と喫茶店の経営を続けている。
              ある日、里親に引き取られて成長しOLとなったトキヨが店を訪ねてくる。昔助けてもらった恩返しがしたい、この店で働かせてほしいと言って…。
              暖かく迎える夫婦、喜ぶ常連客たちだったが、トキヨの里親アヤセが店に現れてから店の空気が変わっていく。

              以上、ざっくりあらすじ。
              以下の感想にはオチのネタバレも含むので注意。

              こんなに後味が悪い芝居を観たのは初めてだ。間違いなく面白かったんだけど、面白かったとは言えない。「面白かったー!と言って帰って頂くような芝居は作らない」という製作陣の狙い、大当たりだよ!くやしい!いやでも本当に凄まじい演劇体験をした!
              あらすじとパンプレットの犯罪心理学の解説を読んで、小説ならこういう展開があるかもな、でも舞台ではここまでやらないだろうと甘く見ていた。
              2幕は想像していた何倍もえげつなかった。
              このお話、なんとなく聞いたことがあるような話だと思ったら、過去に実際に起きた北九州監禁殺人事件をモデルにしている。
              (事件の詳細を調べると一連の流れがすぐにわかるけど、気分が悪くなるのでご注意)
              当時ニュースを見ながら、こんなことが現実に日本で起きているなんて信じられない、部屋から出ることができる環境にあって大の大人が逃げ出さないのが理解できない、と思ったことを覚えている。

              舞台はヤマザキがトキヨ一家を監禁し仲間同士で殺害させてきた数年間と、それを模倣して喫茶店の人間関係を支配していくトキヨの一年、そしてそれを証言する裁判が交錯して描かれる。
              洗脳に使われる拷問や罰ゲーム、ハロウィンの夜に一人ずつ殺害していく様子は本当に視覚的にも怖くて、数日夢に出そうだった…。もうカボチャ頭見られないこわい。

              ヤマザキの裁判の証言台に立ち洗脳の恐ろしさを知っていたはずの、最も普通の夫婦が7年後には被害者になり加害者になっていく。真実を知る他の者達は全員死んで、2人と、トキヨだけが生きている。同じことがまたどこかで起こることを暗示させるループエンドのラスト。最後の最後で真実をぼかされて後を引く感じも、絶妙に気持ち悪い。

              最後のトキヨの証言には鳥肌が立ちっぱなしだった。大どんでん返しにそれまで信じていたヤマザキ像すら覆される。それを意図してなのか、そういえばヤマザキはいろんな役者が代わる代わる演じていた。「ヤマザキ」はこの舞台においてただの記号だったのだ、と最後の最後に気付く。じゃあ、本当は、誰がどうやって何人を殺し、殺させてきたんだろう?ヤマザキが死の直前に記者を呼び出した目的って、もしかして?
              「饅頭こわい」って、そういう意味かよ!やめてよ!こわいよ!
              でもトキヨが本当に「こわい」ものと「饅頭こわい」ものがなんだったのか、想像の中でしか語られていないから、わからない。
              普通に考えると長年狂った環境で育って生存戦略としてヤマザキを凌ぐ教祖になってしまった、ってことなのかな。
              彼女の目的は最後まで読めなかった。自分より遥かに年上の大人達を洗脳しカースト制度を作りお互いに殺し合わせる。保険金があるとはいえ、特に動機は無いように見える。ただコミュニティの頂点に立って人間をいたぶりたいだけのような。
              そして一番ぞっとするのは、ヤマザキやトキヨのような人間が「存在するかもしれない」ことではなく、マスターのような善良な、世間体を気にする最も「普通に存在する」人間が、結果的に一番多くの人間を手にかけ、無罪で生きながらえていることだろう。
              世間体のためなら嘘をつき、追いつめられたら人も殺してしまう、一般市民の多くはこういう人間なんだろうなと思わされる。赤ん坊が彼に託されていることも恐怖。赤ん坊が誰の子なのか、という三重に暗い謎まで残したラストにはここまでやるのか…と気分が沈んだけどさすがだ笑

              でも、何が一番怖いって、こんなに凄まじくこわい話で2分に1回くらい爆笑させてくるクドカンの脚本だよ!
              笑うの不謹慎な話なのに笑い転げてしまう!ABBAパロティはずるい!(スウィーニートッド思い出した)あと最も残虐な場面でちょくちょくスウェーデン人はさんでくるのも卑怯だろあんなの笑うに決まってるだろ!
              随所で挟み込んでくるネタが本当にめちゃくちゃ面白くて、こんな話なのに客席はほとんどの時間を笑って過ごしてるんだよ。今から思い出しても信じられないが。その緩急のつけ方が本当に見事でさすがクドカンだし、役者の力量が凄い。脚本には無駄なネタだらけなのに、舞台からは無駄なものが削ぎ落とされている印象。

              三銃士の三人は期待通り、古田新太はこんな役だろうなと思っていたので意外だったのはむしろ生瀬勝久の変貌ぶりだった。
              そして各所でも絶賛されているけれど、なんといっても小池栄子!この芝居は彼女があってこそ!
              元から小池姐さんの舞台大好きなんだけど、今回はもう、ここまでやるかと感動した。演技の迫力がすごい。本当に彼女を見ているだけで空間の異常さと恐怖が伝わってくる。そしてギャグも全力で面白すぎるww体当たりすぎるネタも最高に笑わせて頂いた。

              小池栄子が上手すぎるので、これが初舞台という夏帆が本当に気の毒だなと思ったけど、意外とあの素人っぽさがトキヨの怖さを際立たせていた気が。笑いながら虫を踏みつぶす子供のような、無邪気な怖さがあった。
              ただ、トキヨの闇の深さ、動機や圧倒的なカリスマ性という面がもっとあれば面白かったのになーとも思う。この人が演じていたらどうなっていたかな、みたいなのが浮かぶ役だった。まあ謎すぎるのもあれはあれで。

              カテコで生瀬さんが「(前回の三銃士公演から)この5年の間に宮藤官九郎くんが全国区になりまして。あまちゃんの感じを期待していらして頂いた方には本当に申し訳ありません」と挨拶していて客席大爆笑だった。いやほんと、あまちゃんファンの善良なおばあちゃんとかこれ観たら泡吹くわ。

              めっちゃくちゃ面白かったんだけど素直に面白かったとは言い辛い、深く何かを訴えかけられるような重いテーマでもないけど他人事ではない、ハッピーエンドでもバッドエンドでもないこのもやもやした感じ。うん、本当に、他では味わえない演劇体験をさせてもらった。凄まじかった。このメンバーで、今しか観られないものを観られたという満足感。ただ、もう一度は観たくないです、饅頭こわいから。
              posted by: 桜花 | 映画/舞台 | 19:31 | comments(0) | - | - | - |